2010年7月18日日曜日

夢をみる事




















幼い時に上野の国立科学博物館で私は運命の人に出会った。

それはガラスケースに横たわるカラカラに干涸びたミイラ。
人間とは思えない姿。
この世の物とも思えない姿。
さらに衝撃的だったのは、首刈り族にかられた頭部だけのミイラ。
大人の拳ほどに小さくなった「それ」は子供心に信じられない物体だった。

稲妻のような衝撃。

家に帰ってからも買ってもらった博物館のパンフレットに載った
小さなミイラの写真を穴のあくまで見ていた記憶がある。
そこから暫く、私の頭はミイラへの憧れの日々を送ることになるのだった。

なんと10才の時に書いた新木小学校創立10周年記念文集には
「将来の夢 考古学者になる!」と書いてある。
親としてはなんてすばらしい夢を持っているんだと
近所にふれ回りたいくらいの万々歳の娘であっただろう。

大英博物館のエジプトの図鑑を見ては胸を高鳴らせ
テレビに「よしむらさん」が出ていれば食い入るようにテレビを見ていた。

そして12才、将来を有望視された彼女の
小学校の卒業文集に書かれた将来の夢は
こんなにも素晴らしいものへと変化を遂げていた。 

「アメリカンショートヘアーの猫を飼うこと」

空白の2年間に彼女に何があったかは定かではない。

しかし2年後の14才の時、なんとその夢は叶ったのだった。
子犬や子猫を拾ってきては全戦全敗してきた彼女にとって
猫を飼うことは決して叶うことのない「夢」 だったのだ。

夢は叶う。

願えば叶う事を14才の私は知ってしまった。
小さくても、目立たなくても、親の自慢にならなくても、
将来の夢として掲げた目標を2年後に達成できたのである。

もし12才の時に「考古学者になる」という夢を文集に書いていたら
こんなにも前向きで楽天的には生きてこれなかったと思う。
「叶わないのが夢なのさ」なんてつまらない人間になっていたかもしれない。

卒業文集という大舞台で猫を飼うという平凡な夢を掲げるには
幼い彼女の中でも少なからず葛藤があったと思う。
ましてや10才の時点で壮大な夢を掲げているのだからなおさらだ。

12才の彼女の勇気ある決断にただただ「ナイスジャッジ!」と伝えたい。

4 件のコメント:

daisuke さんのコメント...

雑誌見たよー!
保育園の少女がすごくかわいいです。
マリコも元気そうで良かったよ。
あちこち飛び回って忙しそうだけど、体だけは大事にな^^
またちょくちょく見に来ます!でわ。

FUJII さんのコメント...

こんにちは。書き込みさせていただきます。
私が小学校の時に書いた将来の夢は「会社員」。
当時は特になりたい職業もなく、結局はどこかの会社に就職するんだろう、とヘンに冷めていました。
それが実際大人になったら、会社員どころかフリーの写真家。
人生、わからないものです。

MARIKO YAMAZAKI さんのコメント...

>daisuke先輩へ
コメント、ありがとう!
皆バラバラになって遠くにいるのに今までより近くに感じるね。
何かだ嬉しいな。daisuke先輩も可愛い娘の写真たくさん撮ってるのかな?
今度ぜひ見せて下さい♪娘自慢も待ってるよ〜(笑)

MARIKO YAMAZAKI さんのコメント...

>FUJIIさんへ
FUJIIさんの夢、会社員だったのですね。
普通に過ごしていれば叶うはずなのに
写真家になってしまうなんて!
もしかしたら夢は叶うと気づくと
よりキケンナ(笑)職業に就く運命が待っているのかも!?