2010年7月19日月曜日

「窓へばりつき虫」



飛行機に乗ると機内に一匹は居る「窓へばりつき虫」。

特に飛行機が陸の上を飛んでいる時は
もの凄く落ち着きがなく・・・ブンブンブンブン。
まぁ、落ち着きがないといっても狭い飛行機の中。
あの小さな窓の小さな世界の小さな小さな窓の四隅で
飛び出る目玉をギョロギョロ動かし、
眼下に広がる未知の世界を堪能しているのだ。

食事の後にやってくる”酒を飲ませて眠らせてしまえ!”という
全世界共通、機内一環運動の強制おやすみタイム。
機内が静かにそしてそっと闇に閉ざされたその瞬間、
「窓へばりつき虫」は異様な生態系を見せる。

窓は閉まった。
外は見れない。
ブンブンブンブン。
今このブラインドが閉まった瞬間、
素晴らしい景色が窓の外に広がってるかもしれない。
どうしよう、どうしよう、
ブンブンブンブン。

おっとここにブランケットがある。
かぶってしまえ!
頭からすっぽりと!
そしてブラインドを開けるのさ!
決して光が機内に漏れないように手のひらと腕と頭とほっぺたと
体のすべてを犠牲にして光漏れを防ぐのだ!

そして数分後、「窓へばりつき虫」は
光が漏れているかもしれない不安感と、
後ろの乗客が怒っているかもしれないという恐怖感とともに
その異様な行動に終わりを告げるのであった。

それでも外が見たい「窓へばりつき虫」は
次回はミドテ(※注)を持って機内に乗り込もうと画策するのであった。



※注:ミドテとは…粘着力の弱い剥がしやすいタイプの緑のガムテープのこと

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