2010年7月17日土曜日

シリアのイガール職人



ハマーの町に滞在していた時のお話。

カメラを抱えながら大きな市場を一人で探検!
なんと私は旅好きなのに極度の方向音痴。
アラビア語なんてちんぷんかんぷん、一度迷ったら、即遭難です。
シリアで遭難。
市場で遭難。
人がいるのに遭難です。

ある通りに出ると、ふと静かになりました。
通りからは…トントントントン…と職人さんの音が聴こえてきます。

出会ったのは伝統的なイガールの職人さんです。
イガールとはシリアの人が頭に被っている布を
固定するために布の上から頭にのせる黒い輪っかです。

床に座った職人さんが木で作られた型にイガールをはめて
トントントントン!
結構な強い力を使って木のトンカチで叩いて
丸く形を整えていきます。
型には常連さんの頭のサイズなのかたくさんの印が。

アラビア語のさっぱりわからない私と
日本語のさっぱりわからないイガールの職人さん。

何を作っているんですか?
これはね、イガールって言ってね、
こうやって布を巻いた後に頭にのせるのさ!

おー!このメモリに合わせて作るんだ〜。

そうそう、この看板を見てごらん!
俺のじいさんのじいさんのじいさんの時代から
ここでイガールを作っているのさ。
看板の上の文アラビア語は18○○年って書いてあるんだよ。

といい日本でいうところの神棚のような場所に飾られたお店の看板を
誇りに満ちた顔で嬉しそうに見せてくれました。

写真を撮ってもいいですか、と聞くと
もちろん快くOKの返事。

ハマーの職人さんが作った最高のイガールをお土産に一つ買って
その後は職人さんから被り方や
さらにかっこいい被り方まで教えてもらいました。

やっぱり職人さんは素敵だな〜。

アラビア語のさっぱりわからない私と
日本語のさっぱりわからないイガールの職人さん。

言葉がなくてもこんなに満ち足りた気持ちになれる。
気持ちがあればこんなにも心にのこる会話が出来るんですね。

2 件のコメント:

貴子 さんのコメント...

まりちゃん、まりちゃんはステキですね。
どの日を見てもとても暖かい心が伝わってきます。
うちらもヒョンな事から出会いました。
同じ100年を生きてるし職人さんよりお互い言葉が通じるし(笑)
まりちゃんに追いつけるようわたしも日々感じながら生きていこうと
今ココロに決めました!!
ではでは、また素敵な日記待ってます。

MARIKO YAMAZAKI さんのコメント...

>貴ちゃんへ
とっても温かい言葉ありがとう。
私の方こそ貴ちゃんから勉強させてもらった事は、
まだ会って間もないのにすでにたくさんあるんだよ。
私は「考える事」に苦手意識があって、
ただただ面倒な事だと思っていたんだ。
だけど貴ちゃんがデザインにきちんと心を込めている事、
何のためのデザインか相手はどんなイメージか。
すべてに対してきちんと考えている貴ちゃんに出会って
もう何十年も私の中で毛嫌いしていた「考える事」が
一瞬で別の角度から捉えられるようになったよ。
自分の考えが変わるなんて大人になってからじゃ早々ある事じゃないから
私は貴ちゃんに出会えてとてもラッキーだったよ。
お互い刺激し合っていいものを生み出していこうね!
これからもよろしくね♪