―集英社「いつも上天気」より
かすかに覚えている
ママがいてパパがいて
青空の下に大きな山
白い富士山によく似た山
まわりはポテト畑が広がってて
大きな虹
空からの大きな虹を
みんなでみてた
あれは…
どこだったんだろう…
あの場所は
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忘れられないワンシーンがある。
売れない画家の父と人気小説家の母を
両親に持つ小学生の女の子、宝。
「パパは今家にはいない」
そんな宝が先生に呼び出され説教を受けるシーンで
幸せだった頃の微かな記憶を語り出す。
あれはどこだったんだろう…と宝がつぶやき
幼い私の目の前に雄大な風景が広がった。
そして偶然廊下で会話を聞いていた
宝の初恋の男の子が心の中でつぶやく。
「それは…オレゴンです」
世界中の行きたい場所はそんな風に私の中に刻まれていった。
ひとつの絵やひとつの言葉から
風を感じ、音を感じ、巡る風景を感じられる
走馬灯のような写真が撮れたらいいなと思う。
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